第八章


1.ユリゼンは探査するなり、彼の隠れ処の数数を
山を、荒地を、そして、原野を、
炎で輝く一つの球体とともに彼は旅するなり
恐怖の旅、悩まされし
残酷な極悪非道な行為によりて、形態の数数
彼の孤独な山での生活の


2.そして、彼の世界は厖大な極悪非道の行為で満ちてゐるなり
争ひ、不信、媚び諂ひつつ
生の部分部分では、似姿の数数
一つの足の、然もなくば、一つの手の、然もなくば、一つの頭の
一つの心臓の、然もなくば一つの目の、それらは有害なもので溢れてをり
ぞっとするやうな恐怖! 血は悦びに血湧き肉踊りし


3.ユリゼンにとって見るもの殆どは暗鬱にさせし
彼の永劫の造化が現れるなり
山脈の上で哀しむ息子たちと娘たちとして
泣いてゐる! 泣き叫んでゐる! 最初にシリエルが現れり
彼自身の存在に吃驚せし
雲から生まれし男のやうに、そして、ユーサは
水から出現す、哀しみの中!
グロドゥナは呻きながら地深くを引き裂きぬ
何といふことか! 彼の天に無数の罅が入るなり
暑熱により干からびた地面の如し、それからフューゾンが
燃え盛る炎から出現す! 最初の起因となりしが、最後に生まれし。
全ての永劫の子供たちは作風の点で似てゐるなり
彼の娘は薬草と牛から
怪物たちから、そして、穴凹の蛆虫から生まれし。


4.暗黒の中に鎖されし彼は、彼の眷属を全て見し
そして、彼の魂は暗鬱となりし! 彼は呪ひし
息子たちと娘たちの両方を、それといふのも彼は知りし
肉も魂も保持できぬけり
一寸の間すら彼の鉄の法則を。


5.それといふのも彼は生が死の上に生きてゐたことを見し
屠殺場の「雄牛」は断末魔を上げし
冬野やうな扉には「犬」が
そして、彼は泣きぬる、そして、彼はそれを「憐憫」と呼びし
そして、彼の涙は風の上に溢れけり


6.冷たい彼は上空高く彷徨ひ歩くなり、彼らの市市の上を
泣きながら、そして、激しい痛み、そして、深い哀しみ!
そして、何処とはいはず哀しみの中、彷徨ひぬ
歳経た天の上を
一つの冷たき影が彼に付き従ひぬ
一つの蜘蛛の巣の如く、湿りて、冷たき、そして、曖昧模糊に
彼の哀しみの魂から引き出されつつ
地下牢の如し天は分かちつつ。
ユリゼンの歩一歩が
市市の上を歩くところ何処もが哀しみの中に。


7.一つの「蜘蛛の巣」が暗黒に寒さで、すっかり至る所を全て蔽ふまで
その苦悩させられし要素が伸びりけり
ユリゼンの魂の哀しみから
そして、その蜘蛛の巣は初期段階で未発達の一人の女性なり
何ものもその蜘蛛の巣を壊せぬなり、誰も炎の翼を持ってゐなかった故に。


8.さうして糸は捩れ、そして、結ばれし
編み目の数数は、人間の脳の如く捩れし


9.そして、誰もがそれを、「宗教の網」と呼びし


(続く)